クレアチンの噂 ハゲる
ある研究の過程でクレアチンを摂取し始めてからDHT(ジヒドロテストステロン)という毛髪の成長を妨げるホルモンの血中濃度が上昇したという報告があがっている。
このことからクレアチンが脱毛の原因になるのではないかという噂が流れた。
しかし、全く関係ないとは言えないものの直接的な原因とも言えないということとなり、脱毛症とは関係ないこととなっている。
なんかスッキリしない人もいそうなので少し掘り下げてみようと思う。
1.毛の成長サイクル
①成長期、毛が根本から伸び始める。
②移行期、毛の成長が遅くなって毛母細胞が収縮する。
③休止期、古い毛が抜けて新しい毛が同じ毛包から成長し始める。
2.DHTの作用と脱毛症
DHTは毛の生え変わる休止期の毛包にあるホルモン受容体に結合することで、新しい毛が生えるのを阻害する。
しかし、脱毛症はこのような外的要因よりも遺伝のような内的要因の方が強く作用するため、DHTの血中濃度が高いからといってハゲるとは限らない。
よって、クレアチンの摂取がハゲる原因とは言えない。
3.まとめ
クレアチンは毛の成長を妨げることはあるかもしれないが、脱毛の直接的な原因とは言えない。
ハゲは遺伝、ハゲる人はどうあがいてもハゲる。
クレアチンでパフォーマンス向上
クレアチンは筋トレや短距離走のような瞬発系の競技やトレーニングをしている人には効果的に働き、パフォーマンスを上げてくれるサプリメント。
筋肉にエネルギーを供給して瞬発的なパワーを発揮してくれる。
1.効果
細胞内には、細胞内にエネルギーを蓄える働きをするATP(アデノシン三リン酸)と言うものが存在し、トレーニングによりATPはADP(アデノシン二リン酸)と遊離リン酸に分解される。
分解が進み、ATPが減るとパワーが発揮できない。
クレアチンには、分解されたADPと遊離リン酸を再結合してATPを蓄える働きがある。
クレアチンを摂取することで高いレベルのトレーニングを持続することができる。
2.副作用
クレアチンは人間が食事することで体内で合成することのできる物質であり、これと言って副作用というものはない。
しかし、空腹時の摂取や一度の大量摂取は下痢の原因になってしまうため、注意が必要。
3.使用方法
トレーニングのパフォーマンスを高いレベルで維持するためには、クレアチンの量を高いレベルで維持する必要がある。
クレアチンは他のサプリメントと違って、代謝するのに時間がかかり、筋肉内に長期的に蓄えられる。
完全に代謝されるまでに1ヶ月かかる人もいるくらいだ。
服用方法も他のサプリメントと異なり、少し特殊だ。
まず、1週間程度は「負荷期間」と言われる期間を設ける。
この負荷期間中は1日20g程度摂取して筋肉内にクレアチンを溜め込んで飽和状態にしておく。
負荷期間を終えた後は、1日3〜5gへ切り替える。
※正確には、
負荷期間、1日に体重1kgあたり0.3g摂取。
その後、1日に3〜5g摂取。
タイミングは食後とトレーニング後が最適。
これはインスリンによって筋肉内に運ばれるため。
あと、ほとんどの人は関係ないかもしれないが、クレアチンを服用し始めると筋肉の水分量が増える。
体重で階級の分かれているようなスポーツ、格闘技などをしている人は使用に注意が必要。
余談ではあるが、もう一つ知っておいてほしいことがある。
それは効果のない人が存在するということ。
遺伝的に細胞内のATPの量が多く、ずっと高いレベルで保っている人には実感できるほどの効果は現れないだろう。
このことは悪いことでもない。
元々、クレアチンが必要ないため、むしろ体質的に徳をしていると思う。
使用するときは、以上のことを最低限知っておいて欲しい。
4.まとめ
①最初は負荷期間で筋肉内のクレアチンレベルを高めて、その後は1日3〜5g摂取。
②タイミングはトレーニングする日はトレーニング後、トレーニングしない日は食事に摂取。
③効果のない人は遺伝的に使用しなくても力を発揮できる人。
カフェインでトレーニング効率アップ
カフェインには筋トレの効果を高め、効率を上げる作用がある。
コーヒーや紅茶、コーラ、エナジードリンクとして簡単に手に入れることができる。
しかし、副作用もあるので、そのことをよく知った上で利用してほしい。
1.カフェインと筋トレ
カフェインは中枢神経に作用して脳に覚醒作用をもたらすことによって集中力を向上させ、その興奮は、更に疲労感を軽減させてくれる。
そこに強心作用も加わり、これらの作用が筋トレのパフォーマンスを向上させる。
他にも呼吸量の増加や代謝が上がることによって脂肪燃焼効果も望める。
2.副作用
カフェインを常用し続けることで、頭痛を引き起こすことがある。
これは脳細動脈収縮によるものとされる。
また、過剰に摂取するとカフェイン中毒を引き起こし、度を超えると死に至る場合もある。
一般的に成人の場合、体格にもよるが5000〜10000mg以上が危険と言われている。
過剰に摂取し続けることで依存もあり、ひどいと集中力の欠如、慢性的な疲労感、頭痛、動悸といった禁断症状が現れることもある。
また、常用している内服薬の中には併用が禁忌とされるものもあるため、カフェインを使用する前にしっかりと内服薬との相性を調べておく、もしくは医師への相談をお勧めする。
3.摂取量の目安
トレーニングのパフォーマンス向上に最適なカフェインの摂取方法を知っておいてほしい。
摂取量の目安は、体重1kgあたり2〜3mgとし、1日の摂取量の上限は400mgとしておいてほしい。
過剰摂取は副作用の原因となり、5000〜10000mgを超える量は致死量と言われている。
しかし、それほどの量を摂取するにはタブレットを乱用するか、エナジードリンク中毒者になるしかないと思う。
エナジードリンクに関しては、海外の商品は日本のものに比べてカフェイン含有量が圧倒的に多いため、手を出さないことをお勧めする。
4.摂取するタイミングと効果時間
カフェインをトレーニングに役立てたいのであれば摂取タイミングについても知っておくと良い。
カフェインは摂取してからおよそ15〜20分後に効果が出始め、45分ごろになるとピークを迎えて徐々に代謝されていく。
個人差はあるが、完全に体から抜けるまでには5〜6時間かかることもある。
このことを踏まえて事前に準備すれば、トレーニングのパフォーマンスを十分に向上させることができるだろう。
5.まとめ
①カフェインは覚醒作用や強心作用によりトレーニングのパフォーマンスを上げてくれる。
②摂取量を守らないと中毒症状や最悪死に至ることもある。
摂取量の目安は体重1kgあたり2〜3mg。上限は400mg/day。
③カフェインを効果的に利用するなら、トレーニングの15〜20分前に摂取する。
プレワークアウトとは
トレーニングを長く続けていてある程度力がついてくると、必ず停滞期を経験することになるだろう。
サプリメントの中にはトレーニングの効率を上げ、サポートしてくれる働きのあるものがある。
その中でもトレーニング前に摂取して効果を発揮するものをプレワークアウトという。
1.主な効果
①トレーニング中のエネルギー不足を防ぎ、筋肉の分解を抑制する。
②トレーニング中の集中力を高めてパフォーマンスを向上させる。
③血流促進効果により、脂肪燃焼をサポートする。
2.種類
①カフェイン
覚醒作用により、疲労を軽減する。
トレーニングを開始する15〜60分前に摂取することで上記の効果が期待できる。
トレーニングを開始する30分前とトレーニング直後に摂取することで筋肉のエネルギー切れを防ぎ、パワーを上げる。
クレアチンリン酸と言うエネルギーの筋肉貯蔵量を増やすことでパフォーマンスを上げ、トレーニングにより産生される乳酸と水素イオンの生成を防ぎ、筋肉が疲れにくくする。
③アルギニン
血流促進効果により、代謝を高めて筋肉の成長に関与する。
更に成長ホルモンの分泌を促進する効果があり、筋肥大を促進する。
血管拡張作用により、血流を促して代謝を高めることでトレーニングで産生された乳酸を代謝する。
上記の作用により、疲労を軽減する。
3.まとめ
プレワークアウトサプリメントを活用すれば、更に質の高いトレーニングに臨むことができるだろう。
特にトレーニングを始めてからある程度の期間が経ち、初心者ではない、あるいは中級者以上の経験者となった時、誰しも停滞期のような伸び悩む経験をするだろう。
そのような時が来たなら、ぜひプレワークアウトサプリメントを検討してみてほしい。
EAAとBCAAの違い
プロテインと併用してBCAAを摂取しているトレーニーは多いと思う。
EAAとBCAA、名前の似ているこの2つは何が違うのだろう。
1.BCAAとは
タンパク質は分解されると20種類のアミノ酸となる。
その内9種類を必須アミノ酸、11種類を非必須アミノ酸という。
非必須アミノ酸は食事以外でも体内で合成することができるが、必須アミノ酸は食事で摂取するしかない。
更に筋肥大に重要なのは必須アミノ酸の内のロイシンである。
BCAAは必須アミノ酸の内のバリン、ロイシン、イソロイシンにフォーカスしたサプリメントのことだ。
2.EAAとは
BCAAは必須アミノ酸の内バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類だけなのに対し、EAAは9種類全てを含んだサプリメント。
3.EAAとBCAAの違い
筋肥大に直接的に作用するのは必須アミノ酸の内BCAA。
EAAのサプリメントはそれ以外の必須アミノ酸も含んでおり、BCAAのサプリメントに比べるとBCAA含有量に劣る。
これだけ考えるとBCAAがあれば良いように感じる。
筋肥大に必要なタンパク質を効率よく合成するにはアミノ酸スコアの優れた食事を心がけなければならない。
※アミノ酸スコアとは20種類のアミノ酸のバランスを数値化したもの。
アミノ酸スコアの優れた食事とはアミノ酸のバランスの良い食事。
要するに、BCAAだけ積極的に摂取してもアミノ酸のバランスが偏って筋肥大の効率化にはならない。
よって、EAAの方が優れている。
しかし、勘違いしてはならない。
例外もあり、BCAAが必ずしも劣るわけではない。
食事だけで十分にBCAA以外の必須アミノ酸が摂れているのであれば、BCAAのサプリメントを選んだ方が圧倒的に効率が良い。
4.EAA、タンパク質合成以外の効果
①集中力の向上
ドーパミンやアドレナリンといったホルモンの材料となるのもアミノ酸。
それらのホルモンの効果で集中力が向上する。
②基礎代謝の向上
アミノ酸スコアが整うことで筋肉量が増え、基礎代謝が上がり、痩せやすい体質・太りにくい体質になる。
5.まとめ
①BCAAは必須アミノ酸の内バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類。
③BCAAだけでは必須アミノ酸のバランスが偏り、効率的な筋肥大には不十分。
④十分な量のタンパク質を食事で摂れていれば、BCAAでも十分に効率的な筋肥大を望める。
EAAとBCAAの違い
プロテインと併用してBCAAを摂取しているトレーニーは多いと思う。
EAAとBCAA、名前の似ているこの2つは何が違うのだろう。
1.BCAAとは
タンパク質は分解されると20種類のアミノ酸となる。
その内9種類を必須アミノ酸、11種類を非必須アミノ酸という。
非必須アミノ酸は食事以外でも体内で合成することができるが、必須アミノ酸は食事で摂取するしかない。
更に筋肥大に重要なのは必須アミノ酸の内のロイシンである。
BCAAは必須アミノ酸の内のバリン、ロイシン、イソロイシンにフォーカスしたサプリメントのことだ。
2.EAAとは
BCAAは必須アミノ酸の内バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類だけなのに対し、EAAは9種類全てを含んだサプリメント。
3.EAAとBCAAの違い
筋肥大に直接的に作用するのは必須アミノ酸の内BCAA。
EAAのサプリメントはそれ以外の必須アミノ酸も含んでおり、BCAAのサプリメントに比べるとBCAA含有量に劣る。
これだけ考えるとBCAAがあれば良いように感じる。
筋肥大に必要なタンパク質を効率よく合成するにはアミノ酸スコアの優れた食事を心がけなければならない。
※アミノ酸スコアとは20種類のアミノ酸のバランスを数値化したもの。
アミノ酸スコアの優れた食事とはアミノ酸のバランスの良い食事。
要するに、BCAAだけ積極的に摂取してもアミノ酸のバランスが偏って筋肥大の効率化にはならない。
よって、EAAの方が優れている。
しかし、勘違いしてはならない。
例外もあり、BCAAが必ずしも劣るわけではない。
食事だけで十分にBCAA以外の必須アミノ酸が摂れているのであれば、BCAAのサプリメントを選んだ方が圧倒的に効率が良い。
4.EAA、タンパク質合成以外の効果
①集中力の向上
ドーパミンやアドレナリンといったホルモンの材料となるのもアミノ酸。
それらのホルモンの効果で集中力が向上する。
②基礎代謝の向上
アミノ酸スコアが整うことで筋肉量が増え、基礎代謝が上がり、痩せやすい体質・太りにくい体質になる。
5.まとめ
①BCAAは必須アミノ酸の内バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類。
③BCAAだけでは必須アミノ酸のバランスが偏り、効率的な筋肥大には不十分。
④十分な量のタンパク質を食事で摂れていれば、BCAAでも十分に効率的な筋肥大を望める。
HMB 効果がある人、ない人
ネットサーフィンをしていたり、YouTubeの動画を見ているとHMBに関する広告を よく見かける。
その中には、HMBのサプリメントを摂るだけで痩せる、マッチョになれるといった謳い文句で宣伝しているものが多い。
果たして本当なのだろうか?
全く嘘ということもないだろうが、運動なしで、もしくは食事を考えないで期待する効果は得られないように思う。
何故そう思うのかというと、それは以下の2つのことを考えれば明白だ。
第一に、筋肉は破壊して回復する過程で成長して大きくなる。
これは運動して筋肉に負荷をかけて破壊する必要があることを意味する。
更に、筋肉を大きくするには、食事をして十分な量の栄養、主にタンパク質を摂取して回復するまでの過程が必要だということ。
第二に、HMBはタンパク質の合成を促すスイッチであること。
これはHMBが筋肉の直接的な材料になるわけではないことを意味し、十分な量のタンパク質を摂る必要があることを意味する。
よって、期待するような効果を得るためには運動と食事の2つを欠かすことはできない。
そして、痩せるには消費カロリーが摂取カロリーを上回らなければならない。
これに関しては、食事制限で糖質や脂質を抑えた食事に切り替えれば問題無いが、効率よく痩せるには筋肉量を増やして基礎代謝を上げることが必要だ。
ここでも運動と食事は重要になる。
しかし、例外もある。
それは、高齢者が筋肉量を減らさない、または太ることを目的とした場合だ。
誰しも高齢者になると加齢とともに今まで通りの食事をしても体が十分な栄養を吸収してくれない。
体が不自由になれば、それに伴い食事量も減って筋肉量が減ってしまう。
HMBには、タンパク質合成の促進以外にも分解を抑制する効果もある。
この効果を利用すれば高齢者の筋肉量減少を抑制し、歳をとっても元気でいられるのではないかということが期待されている。
HMBサプリメントを利用する前に目的をはっきりと設定してその目的に必要なことをしっかりと理解することをお勧めする。
何事も一朝一夕では手に入らない。
商品を売るためのうまい謳い文句に騙されないで欲しい。